さびしい

さびしい形容詞

「さびしい」という言葉を聞いた事がありますか?
漢字で書くと「寂しい」もしくは「淋しい」という文字になります。
それぞれの使い方や、意味の違いが分からない人の為に、今回は「さびしい」という言葉を解説します。

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さびしい

普段、何気なく使っている「さびしい」という言葉。
漢字で書くと「寂しい」、「淋しい」のどちらかになります。
またどちらの漢字とも「さみしい」と読む事もあります。
それぞれの言葉の由来や、語源などの成り立ち。
意味や上手な使い方はどうなっているのでしょうか?

「さびしい」と「さみしい」の由来・語源

かつての日本語には、「さびしい」と「さみしい」という言葉は両方ともありませんでした。
「さびしい」と「さみしい」のもともとの語源は、今から約1300年ほど前の奈良時代に使われていた「さぶし」という言葉でした。
この「さぶし」が元の由来となって、その後に言葉が時代とともに変化して、「さびし」という言葉に変わりました。
これは、日本語を発音する時には、「ぶ」という発音と「び」という発音が非常に近い音になります。
その為に「さ”ぶ”し」という言葉が、いつの間にか時代とともに「さ”び”し」に変化したのです。
さらに江戸時代になると、「さびし」と同じ意味で「さみし」という言葉も同時に使われるようになりました。
日本語の場合、「バ」行の音と「マ」行の音が入れ替わりやすいという特徴(バ行音⇔マ行音の音韻交替)があります。
この為バ行の”び”音とマ行の”み”音が入れ替わり、「さ”び”し」という言葉が「さ”み”し」に変化しました。
そして現在では、この「さびしい」という言葉と、「さみしい」という言葉は両方使われるようになっています。

「さびしい」と「さみしい」の違い

元々は同じ「さぶし」という言葉から生まれた「さびしい」と「さみしい」なので、意味としてはほぼ同じ意味といえます。
ですが実際の使われ方は、少し違っています。
「さびしい」という言葉は

  • ひっそりとした状況を表す場合
  • 気持ちが満たされない心情を表す場合

このどちらの状態を表す時でも使われます。
一方の「さみしい」という言葉は

  • 気持ちが満たされない心情を表す場合

のみとなっています。
つまり「さみしい」を使う時には、心情を表す時のみに使うのが正しい使い方になるのです。

「さびしい」と「さみしい」の実際の使い方・文章

では実際に「さびしい」と「さみしい」の使い方と文章を例文として取り上げます。

さびしい

・人里離れた山奥まで歩いてくると、人影が全くなく時々鳥の声が聞こえるだけのさびしい風景になる。
(ひっそりとした状況を表す)

・初めて外国に遊びに来たけど、だれも知り合いがいなくてとてもさびしい。
(気持ちが満たされない心情)

さみしい

・東京で一人暮らしを始めて一週間たったけど、仲のいい弟と別れてとてもさみしい。
(気持ちが満たされない心情)